政策・マーケット

“卒FIT”電気の排出係数はどうなる? 2019年度報告の方向性が決定

非化石価値取引市場は、2020年4月からすべての非化石電源が対象となった。しかし、FITによらない“非FIT”非化石証書の排出原単位については未定のまま。卒FIT電気の排出係数と合わせて、今回議題にのぼった。両者の扱いはどうなるのか?

“非FIT”証書は全国平均係数
現状のFIT証書と同じく

電気の持つ環境価値は、電気そのものとは切り離される。分離され、証書として取引が可能となる。これを「非化石証書」と呼ぶ。電気と切り離して取引されるものの、非化石証書の価値は、分離される前の電気が何であったかによって決まる。FIT電気か、非FIT電気か、あるいは卒FIT電気かなどだ。

2020年4月から、非化石価値取引市場で取引できる証書の対象は大幅に広がった。これまではFIT電源による証書のみだったが、すべての非化石電源へと拡大した。これに伴い、“非FIT”非化石証書のCO2排出原単位などについて、考え方が示された。

4月16日の「温対法に基づく事業者別排出係数の算出方法等に係る検討会」で打ち出された考え方は以下だ。

“非FIT”非化石証書のCO2排出原単位は、全国平均係数とする方向だ。これは、現状のFIT非化石証書と同様の扱い。両証書の公正性や、現状からの大きな変更はなるべく避けることが考慮されている。


卒FIT証書は電気とセット取引
基礎・調整後係数ともにゼロに

また、同検討会では、いわゆる卒FIT電気を調達した際の排出係数の算定方法についても議論した。卒FIT電気とは、2019年11月以降に発生する、FIT(固定価格買取)期間を満了した家庭用太陽光発電設備による電気を指す。

現在、卒FIT電気による非化石証書は、電気とセットでの相対取引のみが認められている。非化石証書は、電気と分離して取引されることになっているものの、卒FIT電気によるものは例外の扱いだ。

2019年度の排出係数報告においては、基礎排出係数ゼロ、調整後排出係数もゼロとされる方向性が明らかになった。卒FITでない他の非FIT非化石電気を調達した場合と同様となる。

こうした排出係数や排出原単位は、企業の温室効果ガス排出量の報告に用いられるほか、小売電気事業者の非化石エネルギー源の利用促進に活用される。


DATA

温対法に基づく事業者別排出係数の算出方法等に係る検討会


文:山下幸恵(office SOTO)

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