政策・マーケット

新設ラッシュのバイオマス 地産地消に適した電源は?

 

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新設ラッシュのバイオマス
「地産地消」に適した電源

昨年、バイオマス発電は大規模な新規設備が相次いで設置されました。地元の木材チップを資源として使って、発電した電気を地元で消費するという「地産地消」モデルがバイオマス発電の理想ですが、なかには、海外から木材チップを輸入するケースもあります。

地産地消モデルを確立するためには、地元の自治体や農林業関係者、企業、住民が協力しあうことが有効ではないかと考えています。

たとえば、青森県平川市では、木材チップの供給から、発電、そして売電にいたるまでの一連の仕組みを、地元の人々が連携して構築しています。地元の農林業事業者や市民有志が出資して木材チップを供給する「津軽バイオマスチップ」を、地元企業のタケエイ、平川市らが出資して出力6250kWの木質バイオマス発電所「津軽バイオマスエナジー」を設立。発電した電気はタケエイの100%子会社「津軽あっぷるパワー」と東北電力に売電しており、このうちあっぷるパワーは地元の公共施設や事業者に電力を供給しています。これらの取り組みのなかで、新たに約100人もの雇用が生まれました。

バイオマス発電は、いくつかの小規模な発電所を地域に配置する「分散型電源」に適した電源です。これからは、地産地消型の分散型電源をどう広げるかが、いわゆる「ポストFIT」の論点になりそうです。

分散型電源への潮流は世界的なものであり、日本でも確実に広がるでしょう。分散型電源モデルをつくる自治体に対し、国が助成金などのインセンティブをつける形で導入が推進されると考えられます。


松本 真由美
東京大学 教養学部 客員准教授。
報道番組の取材活動やニュースキャスターを経て、現在は東京大学教養学部での教育活動を行う一方、講演や執筆など幅広く活動中。NPO法人・国際環境経済研究所(IEEI)理事。


取材・文/具志堅浩二

※『SOLAR JOURNAL』vol.18 より転載

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