太陽光発電

改正FIT法で認定取消!? 発電事業者は気をつけて!

4月から改正FIT法が施行。認定の考え方そのものが変わり、これに伴って発電事業者には新たな義務が生じることになった。今後は、保守点検をおろそかにしていると、認定取消にもなりかねないという。JPEA事務局長の亀田正明氏に話を聞いた。

改正FIT法に応えて
保守点検ガイドラインを制定

4月から改正FIT法が施行されました。認定の考え方そのものが、これまでの設備認定から事業計画認定に変わり、これに伴って発電事業者には新たな義務が生じることになりました。その1つが、保守点検です。今後は、保守点検をおろそかにしていると、認定取消にもなりかねません。

太陽光発電協会(JPEA)では、このFIT改正に合わせて、日本電機工業会(JEMA)さんとともに「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」を制定しました(2016年12月28日制定)。系統連系太陽光発電システムの基本的な予防・是正・発電性能にかかわる保守要件と推奨案を記載したもので、主として次の内容を扱っています。

●信頼性、安全性および耐火性にかかわるシステム機器および接続部の基本的保守。

●不具合対応手順およびトラブルシューティングのための手段。

●作業者の安全。

屋根設置・地上設置それぞれ特有の配慮点をまとめるとともに、モジュールの洗浄、植生の管理、期待される発電性能を最大限にするための保守項目も整理しています。当協会のホームページからダウンロードできますから、積極的に活用していただければと思います。

グリッドパリティを視野に
多様なビジネスを創出

法改正に伴い、住宅用太陽光発電( 10kW未満)については、FIT買取価格が3年分まとめて設定されることになりました。2016年度の31円に対し、2017年度は28円、2018年度は26円、2019年度は24円になる見込みです(出力制御対応機器なし/シングル発電の場合)。

まず3円下がり、その後2円ずつ下落するというわけですが、問題はこの数字をどう捉えるかということです。2017年度の数字には今後向かうべき方向性が示されていますし、2019年度の24円には、グリッドパリティを実現するというビジョンが表わされています。すなわち、2019年度の24円は、この段階においてFIT買取価格が家庭用電気料金並みになるということを意味しているのです。

こうした方向性と時間軸が明らかになったことで、これからの事業展開を考えやすくなりますし、新たなサービスを創出する可能性も拓けてくるでしょう。自家消費ニーズを喚起して蓄電システムをアピールしたり、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)に向けたリフォームとセットにして太陽光の設置を促したり……ライフスタイルにあわせた提案力がますます重要になってきます。FIT買取価格が下がったといって嘆いている場合ではありません。大きなビジネスチャンスが到来しようとしているのです。

パリ協定発効で、ますます
高まる太陽光発電への期待

昨年11月に発効したパリ協定によって、世界は、今世紀末までに化石燃料ゼロを目指すこととなりました。これを実現するためには、日本としても、2030年に非化石電源44%(エネルギーミックス)で留まっているわけにはいかないでしょう。エネルギーミックスに基づく太陽光発電の設備容量は64GWとなりますが、JPEAとしては100 GWを目標に掲げています。さらに、2050年には200 GWを目指していくべきと考えています。

2050年には、FITに頼っている状況からは卒業しているはずですから、国民負担の心配はありません。変動電源を使いこなす技術も、十分に発達していると予測されます。この段階であるのは、太陽光発電の便益ばかりです。太陽光発電はCO2を出しませんから、地球温暖化防止に直結します。環境に優しいクリーンな電源です。純国産電源であり、エネルギー自給率を引き上げます。燃料は太陽の光ですから、もちろん燃料代はかかりません。

そして、大量導入が進んでいけば、関連分野も含めて大きな雇用を創出することが可能となります。200 GWの世界は果てしなく広がっているのです。目の前の状況に右往左往することなく、目線を上げて取り組んでまいりましょう。


一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)事務局長
亀田正明氏

1985年三洋電機株式会社入社。太陽電池技術の研究開発や太陽電池セルの品質管理等に従事。1998年~2001年には日本電機工業会(JEMA)担当課長として、太陽光発電の標準化事業を担当。2004年には太陽光発電の認証事業創生により、日本電機工業会会長特別賞を受賞。2015年に事務局長就任。


取材・文/廣町公則

※『SOLAR JOURNAL vol.20』より転載

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