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世界における「太陽光発電システム新規導入量」2023年までの予測は?

IEAは、2018~2023年までの6年間に、世界で計575GWの太陽光発電システムが新規導入されると予測している。そのうち、日本をはじめ太陽光発電が盛んな中国、アメリカ、インドなどの導入量予測は? 資源総合システムの貝塚泉氏が、世界の再エネ情勢を読み解くコラム第2回(後編)。

前編:2023年までの再エネ導入量予測は? 国際エネルギー機関が公表

国別に予測!
太陽光発電システム新規導入量

IEAは、2018~2023年までの6年間に世界で計575GWの太陽光発電システムが新規導入されると予測している。導入量の上位国は、中国(255.8GW)、米国(70.0GW)、インド(62.9GW)、日本(21.2GW)、メキシコ(15.8GW)である。

中国は2023年までの世界の太陽光発電システム新規導入量の約45%を占めるが、中国政府の政策変更により、53GWを導入した2017年と比較すると市場は短期的には縮小すると予測している。欧州連合(EU)は、2032年の再生可能エネルギー比率の目標を32%に引き上げたため、EU全体では再生可能エネルギー導入量は米国とインドを抜く規模となる。

フランス、イタリア、ドイツ、スペインにおける新たな入札の発表や、分散型太陽光発電システムの普及、民間企業による電力購入契約(PPA)締結の動きにより市場が拡大する見通しである。米国は、税制改革や太陽電池モジュールへのセーフガード措置による課税などの影響を受け、導入量の見通しはRE2017からやや下方修正されたが、州政府による再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS)やインセンティブなどの政策が強力なドライバとなって導入が進むとしている。

インドも再生可能エネルギーの導入が進む見通しであるが、電力系統への統合や配電公社の財務状況などが依然として普及を阻害していると指摘している。日本は、事業認定が取り消されたプロジェクト件数が想定より少なかったとして、前年より楽観的な見通しを掲げている。また、韓国は新政権による積極的な政策により、再生可能エネルギーの導入進展が期待されている。

2017年新規導入量
No.1の中国は?

下の【表1】に、Renewables 2018 Analysis and Forecasts to 2023における導入上位国の2023年までの太陽光発電システム導入見通しを示す。IEAは2018年の中国の新規導入量を33.8GWと見込んでいるが、中国電力企業連合会(CEC)の統計によると、中国は2018年1~9月にすでに34.54GWの導入を達成しており、この見込みを上回る導入量を達成している。

弊社の分析では、中国の2018年通年の太陽光発電の新規導入量は約40GW程度になると見込まれる。5.31新政策の影響で2019年以降の市場状況は2018年以上に縮小するとの懸念も出ているが、中国は2019年の太陽光発電システム計画導入量を45~50GWとし、中国の2020年末の太陽光発電システム累積導入量の目標をこれまでの105GWから210~270GWへ引き上げることを検討していると報じられており、IEAの予測を上回る可能性もでてきている。

弊社では中国の2018年の導入量は40GWに達すると見ている。また、2018年9月に発刊した報告書「太陽光発電海外市場レポート2018年版 ~海外主要市場と新興市場~」において、2018年の世界の太陽光発電システム新規導入量は84~104GWと予測している。IEAの導入量の予測は、前年から上方修正されたが依然として保守的なシナリオとなっている。

出典:IEA 、「Renewables 2018 Analysis and Forecasts to 2023」(RE2018)
(株)資源総合システム 太陽光発電海外市場レポート2018年版 ~海外主要市場と新興市場~


文/資源総合システム 調査事業部 部長 貝塚泉

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