編集部からのお知らせ

常夏の楽園が再エネ100%を目指すワケ

世界有数のリゾート地である「常夏の楽園」ハワイ。温暖な気候と青い海は、人々をリラックスさせ、バケーションにぴったりだ。そんなハワイ州は、なんと「全電力消費の100%を再生可能エネルギーで賄う」ことを法律で決めたアメリカで最初の州なのだ。アメリカ在住のアナリストが読み解く!

屋根置き太陽光発電が普及
石油消費削減に大きく貢献

2015年の6月8日に可決された法律により、ハワイ州の電力事業社は2045年までにすべての電力供給源を太陽光発電や風力などの再生可能エネルギーにすることが義務付けられた。その背景には、大きな輸入石油依存があった。複数の島々で構成されるハワイ州は、アメリカ本土のように地域間を繋ぐ送電網がなく、すべての電力供給を各島内で完結させなければなら
ない。そのため、ハワイ州は電源として石油に依存するようになったのだ。

S17_MVY_001

2014年のデータを見ると、アメリカ全体で石油が総電力発電源に占める割合は1%にも満たないものの、ハワイ州では約70%も占めている。州知事のデビッド・イゲ氏は当時法案の成立について、「全米で最も化石燃料に頼っているハワイ州は、年間約50億ドルを化石燃料の輸入に費やしてきた。化石燃料から再生可能エネルギーに移行すれば、燃料費を州内にとどめることができる。つまり、今回の法律によって、環境とエネルギーを保全するとともに、経済を活性化することが可能になるのです」と述べた。

S17_MVY_002

ハワイ州では再生可能エネルギーへの移行は既に2008年から始まっており、2014年には全電力消費量の21・1%が再生可能エネルギーで賄われた。

S17_MVY_003

再生可能エネルギーの電源別構成を見てみると、風力が州内の再生可能エネルギーの総発電に占める比率が29%と一番高い。驚くことに、配電網に設置される屋根置きの分散型太陽光発電システムが占める割合は27%と、風力の次に高い比率となっている。送電網に接続されるメガソーラーの占める割合はたったの4%にとどまっている。

12>

関連記事

2016/12/02 | 編集部からのお知らせ

砂漠に水を生み出す装置現る!? 動力は太陽光

2017/09/29 | 編集部からのお知らせ

米政府に新法案『2050年100%再エネ』の7要点

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 東京都の2024年度予算案 次世代太陽電池やアグリゲーションビジネスを支援...
  2. 【 参加受付中!】2024年4月23日(火)「第29回PVビジネスセミナー」~ 市場動向/PPA・蓄電池の最適化モデル ~...
  3. 新・出力制御対策パッケージ。「蓄電池の活用」を強化へ
  4. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  5. 屋根設置は11.5円 前年度比0.5円引き下げ FIT・FIP買取価格が決定
  6. 2024年度の脱炭素ビジネス【発電側課金・脱炭素オークション・非化石価値取引】...
  7. グリッドコードとは? 太陽光発電事業者も知っておくべき系統運用の新ルール...
  8. 太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か
  9. 経産省、GX推進で新たな国債発行 系統用蓄電池や次世代太陽電池に重点配分...
  10. パワーエックス 2024年半ばから水冷蓄電池モジュールの量産化へ
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.48 | ¥0
2024/01/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ