編集部からのお知らせ

大規模な木質バイオマス発電所の新設は難しいのか?

日本の木質バイオマス発電は、いま、どんな地平に立っているのか?その普及はどこまで進み、未来には、どんな可能性が拡がっているのか?木質バイオマス発電のコンサルタントとして数々の案件を手掛けてきた、森のエネルギー研究所の大場龍夫代表取締役に聞いた。

前記事>>全国に広がる木質バイオマス発電! 一覧地図を大公開

認定量は国の想定の2倍
大規模設備の新設は難しい

下の地図を見てほしい。これは、森のエネルギー研究所がまとめている「木質バイオマス発電所一覧地図」。バイオマス発電所が全国に拡がっている状況が一目瞭然だ。上が2017年月末時点のもの、下が2年前の状況。たった2年でも違いは大きい。2012年月のFITスタート以降、バイオマス発電の普及にも火が着いたわけだが、その勢いには凄まじいものがある。

大場氏は、「ここで注目してほしいのは、大規模な発電所が一部の臨海部に集中していること」だという。大規模な発電所は、そのほとんどが燃料となる材を海外からの輸入に頼っている。そのため、大型船を着けやすい場所に大規模バイオマス発電所はつくられてきた。古くからコンビナートのある場所に、いまでは多くの大規模バイオマス発電所が建ち並んでいるという。

しかし、今後は「大規模な木質バイオマス発電所を新たに計画するのは難しい」とのこと。建設できる場所が減ってきていることもあるが、最大の理由は、既にFIT認定を取得している大規模案件が国の想定をはるかに超えているからだ。2017年3月末時点で、バイオマス発電の認定容量は、合計1242万に達しており、これは国の当初計画(エネルギーミックス)の約2倍に相当する。系統接続に関しても、空き容量がゼロとされる地域も出てきており、厳しさは増すばかりだという。

12>

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【 参加受付中!】2024年4月23日(火)「第29回PVビジネスセミナー」~ 市場動向/PPA・蓄電池の最適化モデル ~...
  2. 東京都の2024年度系統用蓄電池導入事業 特高5件、高圧6件を採択予定
  3. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  4. 【受付中】5/28火 ケーブル盗難のリアルを知るための「太陽光のリスク管理」セミナー開催...
  5. 経産省、新電力ビジネスの経過措置「部分供給」の見直し案 オフサイトPPAへの影響は?...
  6. 市場運用者・広域機関に聞く、長期脱炭素電源オークションが目指すものとは?...
  7. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  8. 脱原発完遂のドイツの電源構成、どうなるエネルギー費の再高騰リスク?
  9. グリッドコードとは? 太陽光発電事業者も知っておくべき系統運用の新ルール...
  10. 2024年度の脱炭素ビジネス【発電側課金・脱炭素オークション・非化石価値取引】...
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.48 | ¥0
2024/01/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ