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改正FIT法によって日本の風力発電はどうなるの!?

2017年4月1日、改正FIT法が施行された。法改正を受けて、太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマスの買取価格は変化することとなった。今回は、風力の価格表が今後どのようになって行くのかを見ていく。

陸上風力は21円に
今後3年、毎年1円ずつ下落

風力発電のFIT価格については、住宅用太陽光と同様に、3年度分がまとめて示された(20kW未満の小規模風力は除く)。洋上風力(20kW以上)は、今の価格のまま3年度先まで変わらずに36円。陸上風力(20kW以上)は、毎年1円ずつ下がって、21円(2017年)、20円(2018年)、19円(2019年)と推移する。
20kW未満の風力は、従来同様に次年度のみの価格設定となった。示された2017年度の価格は、2016年度と同じ55円だ。

 

リプレースもFIT対象に!
寿命を迎える風車の建替えを促進

風力はこれまで、20kWを堺に区分され、「20kW以上」については陸上風力と洋上風力に分けられていた。2017年度からは、この陸上風力に、「リプレース」という新たな区分が加わる。リプレースとは設備更新案件のことで、ここでは既存発電所の建替えが想定されている。

建替えといっても、電源線などの系統設備は基本的にすべて流用可能となる。また、風況データが整っていることや、地元調整が済んでいること、環境アセスメントが新設案件より容易であることなどから、事業リスクは低いものと考えられる。

このため、リプレース案件(20kW以上の陸上風力)のFIT価格は、通常の20kWの以上の陸上風力より3円ずつ安い、18円(2017年)、17円(2018年)、16円(2019年)と設定された。

リプレース区分新設の背景には、2020年前後より、設備寿命(約20年)を迎える風力発電所が年々増加するだろうという見込みがある。日本風力発電協会によると、2016年3月末時点で運転期間が15年を超えている風力発電設備が、日本全体に123基(9万7815kW)も存在する。リプレースをFITの対象として明確に位置づけることで、これら既設発電設備の積極的な更新を促していこうという考えだ。


取材・文/廣町公則

※『SOLAR JOURNAL』vol.20より転載。

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