編集部からのお知らせ

なぜ日本では「風力発電」導入が遅れているのか?

導入促進に向けて

では、それほどのポテンシャルをもちながら、なぜ日本では風力発電の導入が進まないのか。その理由を牛山氏は、次のように解き明かす。「北海道・東北に関して言えば、 まず系統連系の問題を挙げなければなりません。他の地域に比べて送電網が脆弱なため、風車で発電した電力を十分に受け入れ、電力需要地に送ることができないのです。しかし現在、送電網整備事業も進められていますから、状況は徐々に改善されていくでしょう」。

風力発電の導入促進を阻む全国共通の課題としては、やはりコストが一番のテーマだという。風力発電のコストには、設計開発費、タービン、土木工事費、電気工事 費、輸送据付費、環境アセス費などがあるが、日本特有の制度的な制約も大きい。

「例えば大型の風車の場合、日本では陸上風力22円/kWh、洋上風力36円/kWhですが、ヨーロッパでは洋上でも10円/kWhを切り、6〜7円/kWhというケースさえ珍しくなくなってきました。この違いは、たんに部品代や工事費だけに起因するものではありません。送電網への接続に伴う費用を誰が負担するのかなど、国の政策に依るところが大きいのです」と牛山氏は指摘している。

 


取材・文/廣町公則

『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載

関連記事

いよいよ全世界で30万台を突破!急増する風力発電

1位はあの国!? 風力発電量の国別ランキング

< 12

関連記事

2017/12/22 | 編集部からのお知らせ

台風を克服せよ! 日本型風車が世界を変える!?

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【2024年太陽光ビジネス】再エネは「長期安定電源」になる! 事業環境の整備に必須のリパワリング...
  2. 太陽光発電、盗難保険金が急増 持続的な保険提供が困難になる可能性も
  3. 宮城県、森林保全へ再エネ課税 4月1日に全国初の条例施行
  4. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  5. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  6. 最新春号の見ドコロ!「ソーラージャーナル」vol.49 4/30発行
  7. 初回の長期脱炭素電源オークション、976.6万kW約定。蓄電池で厳しい競争
  8. 脱原発完遂のドイツの電源構成、どうなるエネルギー費の再高騰リスク?
  9. 【受付中】5/28(火) ケーブル盗難のリアルを知るための「太陽光のリスク管理」セミナー開催...
  10. 【 参加受付中!】2024年7月25日(木)「第30回PVビジネスセミナー」
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.49 | ¥0
2024/04/30発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ