エネ庁、「ERAB」のセキュリティガイドラインを改訂
2017/11/29
需要家側のエネルギーリソース(蓄電池・太陽光・ディマンドリスポンスなど)を集約することで1つの発電所のように機能できるとして期待のかかる「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)」。エネ庁は、ERAB運用のサイバーセキュリティ対策のガイドラインの改訂版を公表した。
エネルギー・リソース・
アグリケーション・ビジネスとは?
「エネルギー・リソース・アグリケーション・ビジネス(ERAB)」とは、IoTを用いて需要家が保有する分散エネルギー機器と電力の消費量を”エネルギー・リソース”として束ねる(アグリゲーション)ことで、新たな価値を見出すビジネスだ。
各需要家のエネルギー機器をインターネットを介して外部と繋ぐことで、系統運用者の調整力をはじめ、需要家のエネルギーコスト削減、再生可能エネルギーの出力抑制回避、レジリエンシーなど様々なメリットが得られるとして注目が集まっている。
セキュリティ面の問題を払拭する
ガイドラインを改訂
ERABは、各需要家等内にあるエネルギー機器をインターネット接続するという特徴から、サイバーセキュリティ対策が脆弱であった場合、需要家の電気の利用に影響を及ぼすことが懸念されていた。
そこで資源エネルギー庁では、ERABの中でも特にサイバーセキュリティのあり方に焦点を当てて検討をするために、ERAB検討会の下部組織として「サイバーセキュリティ WG」を設置し、サイバーセキュリティ対策をまとめたガイドラインを制定。
そして今回、2017年11月29日に「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドライン」の改訂版を発表した。
主な改訂点は、下記の4つだ。
・認証や暗号化の仕組みの導入。
・機器の相互認証や通信の暗号化の仕組みを導入し、各機器を保護することとする。
・特定されたアグリゲーターからの接続のみに限定。
・送配電事業者のシステムへの接続は、特定されたアグリゲーターのシステムのみからの接続に限定することとする。
同庁では、ERABを東京2020プロジェクトの一環として、東京オリンピックでのショーケース化を目指し検討を進めている。