正念場を迎えるPV市場。高発電量のMタイプ工法とは?
2018/01/31
改正FIT法の施行、そして8月末の施行規則の改正など、太陽光発電ビジネスは人々の生活に寄り添える形を探して変化を続けている。太陽光業界のトップランナーたちに、戦略と展望を聞く人気シリーズ。今回は株式会社NTTファシリティーズソリューションの白木利幸氏と、Chint Solar Japan株式会社の鎌田康史氏に話を聞いた。
FITから自立した基幹電源へ
50年超の蓄積を活かして課題解決を続ける
太陽光発電は、再エネだけでなく、広く日本のエネルギー全体を支える「基幹電源」として発展していくものだと思います。そのためには、FITの買取が終了した後も安定した発電を継続することが求められます。
弊社は、NTTの通信インフラを整備する目的で離島などで太陽光発電を活用して以来、50年以上にわたって太陽光発電に携わって参りました。現在も、太陽光発電所の企画から設計、構築、保守まで一元的に取り組んでいます。
その中で、限られた土地で発電量を最大化し、長期安定運用を実現する様々な方法を考えてきました。直近の課題解決法として弊社がご提案しているのは、「Mタイプ」という工法です。
これは、通常南向きに設置する太陽光パネルを東西向きに敷き詰め、発電所全体の発電量を高める方法で、買取価格の低減が進むなか、事業性を高めるために有効な方法の1つとなります。
また、発電所の迅速な復旧を可能にするため、保守と万が一の保険をセットでお引き受けする、損害保険付きの保守サービスも提供しています。
20年を超えた長期安定運用に貢献し、太陽光発電の基幹電源化へ向けた課題解決に力を尽くしたいと思います。
PROFILE
株式会社NTTファシリティーズソリューション 営業部長
白木利幸氏
正念場を迎える
PV市場を総合力で切り拓く
ITによってバブル的に盛り上がった太陽光発電市場ですが、ここにきてようやく正常化してきました。プレーヤーとしての真価が問われる時代になったといえるでしょう。
私たちチントソーラーは中国に本社を持つ総合電機メーカー“Chint”のグループ企業で、グループ本体は低圧から高圧の電気製品・測定機器・建築機器・各種システム部品等を、全世界に向けて製造・販売しています。
チントソーラーが日本法人を設立したのは2016年11月ですが、実は2012年のFITスタート当初から、日本企業のOEM生産を行っていました。
チントソーラーの工場から出荷され、日本に導入された太陽光パネルは、既に400MWに達しています。パネルはもちろん周辺機器までトータルで提供できるチントの強みを活かし、これからは自社ブランドの販売を強化してまいります。
高品質高出力なパネルを魅力ある価格でご提案していくとともに、水上用やソーラーシェアリング用など、これからの日本市場に向けた特殊パネルも開発していきます。また、住宅用に関しては、蓄電池のある暮らしにふさわしい安心安全なシステムをご案内いたします。
つねに一歩先へ──チントソーラーは、グループの総合力で明日の市場を牽引します。
PROFILE
Chint Solar Japan株式会社 代表取締役社長
鎌田康史氏
取材・文/廣町公則
『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載