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満充電まで3分ってホント!? 日本で電気自動車は普及するのか?

全固体電池の魅力

が、まだ性能面では物足りないし、安全性にも不安がある、という人も少なくない。

EVを内燃機関の自動車並みに普及させるにはバッテリーの進化と性能向上が不可欠だ。そこで注目されているのが、現在のリチウムイオン電池より大容量で、寿命が長く、安全性も高い「全個体電池」である。化学的な反応を利用したリチウムイオン電池の電解質は液体だ。

これに対し全固体電池は、電解質を固体化したものである。最大の魅力は、電極と液体が反応して劣化したり、液漏れすることがないことだ。安全性に関しては液体リチウムイオン電池を大きく引き離す。

また、エネルギー密度と出力密度を高くできる可能性も高いのだ。容量を大きくしやすいし、高速で充電できるから、充電時間も大幅に短くすることができる。温度の変化に対しての性能低下も小さいようだ。ただし、製造するのが難しいし、製造のコストもかさむ。これが最大の難関だ。全固体電池の研究は、日本が一歩リードしている。が、欧米、そして中国も一気に差を詰めてきた。

トヨタもEV化に舵切り
日産やホンダも追随

実用化のめどが立ったからトヨタは重い腰を上げてEV化に舵を切ったのだろう。パナソニックと組んで全固体電池の実用化に向けて動きを早めた。2017年秋の東京モーターショーでは、現行のリチウムイオン電池の約1.5倍の容量で、3倍以上の出力を発生する電池を開発中であると発表した。満充電までの時間も約3分と、驚くほど短い。トヨタはアライアンスを組むマツダやダイハツ、スバル、スズキへの技術供与も行うという。

この動きに、日産とホンダも追随するようだ。また、日立造船や旭化成なども開発を進めている。全固体電池を積んだEVが正式デビューするのは、4年後の2022年か!?  だが、技術力をアピールするのに最適の場だから、2020年の東京オリンピックを利用して実証実験を行うことも考えられる。

これからのEV用電池の動向から目が離せない。

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