小型・木質バイオマス熱電併給システム、欧州主要メーカーが集結!
2018/06/14
群馬県上野村でも安定稼働する
Burkhardt/三洋貿易
三洋貿易は、ドイツのBurkhardt(ブルクハルト)の日本代理店。Burkhardtの木質バイオマス熱電併給装置は、ドイツとイタリアを中心に約200基の導入実績があり、高い安定稼働率には定評がある。システム構成は、木質ペレットからガスを発生させるガス化ユニットと、そのガスで熱と電気をつくる熱電併給ユニットからなる(発電出力は165kW/熱出力は260kW)。発電による売電収入はもちろん、熱(温水)を近隣の温浴施設や農業施設に売ることで、安定した収益を得ることができる。
日本1号機は2015年、群馬県上野村に設置され、安定稼働を続けている。これまでの国内設置台数は12基。先ごろ、愛媛県下に6台が採用され、国内合計18基を数えるに至っている。Burkhardt製の装置は、専任のオペレーターが不要であり、管理は兼任で可能など、扱いやすさも魅力だという。三洋貿易のブースでは、装置の模型展示とともに、上野村の国内1号機の様子もビデオ上映された。
「バイオマスエキスポ2018」三洋貿易のブース
含水率40%もOK、炭もつくれる
ESPERIA/リライト
リライトは、イタリアのMRグループESPERIA(エスペリア)の木質バイオマス熱電併給装置を販売する総合代理店。ESPERIAの最大の特長は、タールや灰などの不純物を確実に取り除き、安定した発電出力を確保できるところにある。独自の機構により、チップをガス化させるプロセスにおいて不純物の濃度を低下させ、発生したガスはバイオマスフィルターなどを通してクリーンな状態で発電エンジンに供給される。
ガス化の終わったチップの残存物は、内蔵ピストンにより強制的に外部に排出される。イタリアを中心に豊富な導入実績を誇る同装置だが、これまで不純物に起因する機器の停止トラブルは一度も発生していないという。
残存物にも特長があり、通常は灰塵となってしまうところを、固形の「バイオ炭」として取り出すことができる。バイオ炭は豊富な栄養を含んでおり、欧州では肥料や水処理などに活用されている。燃料となる木は、日本に多い杉・檜・松・樫・楢などで問題なく、バーク(樹皮)・枝葉・籾殻などを混入させても使用可能。多少湿ったチップでも投入でき、含水率40%程度までであれば支障はないということだ。発電出力49kWシステムと249kWシステムをラインナップする。
「バイオマスエキスポ2018」リライトのブース