新たな再エネ100宣言の枠組み”RE Action”発足!
2019/10/29
2019年10月9日、「中小企業や行政機関等による新たな再エネ100宣言の枠組み構想」、通称”RE Action”が発足した。国際イニシアチブ「RE100」とは異なり、中小企業や行政機関も加盟できる新しい枠組みだ。再エネ電力調達を後押しするこの取組に注目したい。
新たな枠組み RE Action
中小企業、行政も参加可能に
“RE Action”を運営するのは、グリーン購入ネットワーク(GPN)、公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)の3者。RE Actionは「中小企業や行政機関等による新たな再エネ100宣言の枠組み構想」といい、日本国内において、事業活動における再エネ活用の推進を目的とする企業や行政などによる団体によって構成される。
事業で用いる電力を100%再エネ調達を目指す点は、国際イニシアチブThe Climate Groupが進める「RE100」と共通しているが、異なるのは、参加できる団体の条件だ。「RE100」は、企業が結集して世界中の政策決定者や投資家に対し再エネへの転換を加速させることを意図しているため規模の大きい企業が対象となり、日本では年間電力使用量が10GWh以上の企業が参加できる。
これに対しRE Actionでは、参加対象者を「電力消費が10GWh/未満の企業、行政、教育機関、病院など」と設定し、参加枠が拡大されたことで、国内の多くの団体が参加可能となった。民間企業だけでなく、行政や教育機関も参加できる。
ボトムアップの取り組み
再エネマーケットの活性化へ
RE Actionの参加要件は、2050年までに消費電力を100%再エネ化することを宣言すること、毎年の進捗報告を行うこと、再エネ推進に関する提言活動への賛同を行うことの3つだ。参加のメリットとして、RE Actionロゴの使用や再エネ情報プラットフォームへの参加が予定されており、今後の再エネ電力メニューなどの多様化も期待される。
RE Actionを構成するグリーン購入ネットワーク(GPN)は、環境配慮型の製品購入を進めるため1996年に設立した企業、行政、民間団体による緩やかなネットワーク。現在は1,300を超える団体が加盟しており、2018年には「電力契約ガイドライン」を制定し、低圧から特別高圧までの需要家を対象に「再生可能エネルギー(FIT=固定価格買取制度によるものを含む)による電気の割合が高いこと」などの4つのガイドラインを策定した。
JCLPは、持続可能な脱炭素社会の実現のために設立した日本独自の企業グループで、2017年4月からはRE100、EV100、EP100の日本の参加窓口となっている。
海外に比べ、再エネ調達価格が高いといわれる日本。ボトムアップのRE Actionの流れによって、再エネ調達の選択肢の増加や、再エネ価格そのものの低減につながることが今後期待される。
DATA
文/山下幸恵