公共部門や地域の脱炭素化も増強へ。「あらゆる分野で、でき得る限り」菅首相
2021/06/22
政府が2030年度の温室効果ガス46%削減に向けた方向性を示した。徹底した省エネや再エネの最大限導入のほか、公共部門や地域の脱炭素化にもできる限り取り組むという。また、改正温対法には2050年脱炭素の基本理念が盛り込まれることが決まった。
※情報は2021年6月8日現在
省エネや再エネの強化に加え
公共部門や地域の脱炭素化も
5月24日に開かれた第3回気候変動対策推進のための有識者会議では、地球温暖化対策計画やエネルギー基本計画の見直しについて議論が交わされた。同会議の開催を受け、菅首相は、2030年度に温室効果ガス排出量を46%削減する目標について「徹底した省エネや、再エネなどの最大限の導入、公共部門や地域の脱炭素化など、あらゆる分野で、でき得る限りの取組を進めていく。その中で、50%削減の高みにも挑戦していきたい」と述べた。
地球温暖化対策計画とは、パリ協定で掲げた目標達成のために国や地方公共団体がとるべき施策などを示したものだ。エネルギー基本計画は国のエネルギー政策の根幹となるもので、現在、第6次に向けた見直しが進められている。
脱炭素を温対法理念に位置づけ
地域の円滑な再エネ導入目指す
翌5月25日には、参議院で地球温暖化対策推進法(温対法)の改正案が全会一致で可決・成立した。これによって、2050年カーボンニュートラルが初めて基本理念として法に位置づけられた。(参考『「2050年カーボンニュートラル」が温対法の基本理念に。改正案が閣議決定』)
また、改正温対法では「地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設」が予定されている。これは、市町村が再エネの促進区域を設ける制度を導入し、再エネの導入について地域の円滑な合意形成を目指すものだ。
6月11~13日には、イギリスのコーンウォールで先進国首脳会議(G7)が予定されている。菅首相は、G7の開催も見据え「我が国としては、目標の実現に向けて、高い技術力もいかしながら取り組んでいく強い決意を示す」とした。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)