太陽光発電

改正FIT法への5つの提言 そして最大の問題点とは?

環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長 飯田氏による、ISEPの改正FIT法への5つの提言。

最大限導入に必要な
接続契約手続きの規制とは

FITが導入されてからわずか4年で、ほとんどが太陽光発電ながらも自然エネルギーの導入はかなり進みました。太陽光発電だけで2700万kW(2016年3月末)も設置され、世界的に見ても驚異的な成果です。その一方で、5300万kW(同)もの未稼働案件があるのも事実です。

このことを踏まえれば、大規模太陽光発電については期限を区切って改めて認定を取得するというFIT法の改正は、原則としては支持したいと思います。ただし、見直しの方向性が正しいのかどうか、議論の余地が十分あります。

今回ISEPとしては、その点について「改正FIT法は地域自立エネルギーの加速化を目指すべき」というタイトルで、5つの大きな論点を提示しました(下図参照)。

 

ISEPの改正FIT法への5つの提言

① FIT法は地域主導の自然エネルギー事業が加速できる改正を目指すべき
② 接続契約手続きを規制管理下に置き、その迅速化・透明化・負担適正化を目指すべき
③ 自然エネルギーの優先接続・優先給電のルールと運用を確立すべき
④ 消費者が自然エネルギーを選べる仕組みを導入すべき
⑤ バイオマス発電は燃料の持続可能性証明を強化し、熱利用を促進するコジェネを推進すべき

そもそも未稼働案件がこれほど増えてしまったのも、最初は経済産業省の手続きのミスから始まっています。未稼働をなくすために、こまごまと審査する項目を増やしたり、行政の裁量範囲を広げたりしていますが、より大量により早く自然エネルギーを普及させるという本来の目的を見失っているように見えます。毎年ルールが変わっていることの複雑さがそれに輪をかけています。

接続契約においても、現状は各送配電事業者の裁量にお任せになっていて、国が行う認定とはリンクしていません。そのため、電力系統の状況や送配電事業者の対応により、接続契約が困難な地域もあります。根拠が不明な「接続可能量」や「空き容量ゼロ回答」などによる実質的な接続拒否も問題です。課題として情報公開の不十分さがあります。接続契約手続きを規制管理下に置くことで、持続可能性を考慮した自然エネルギーを最大限導入できるFIT制度の運用が求められています。

さらに、改正FIT法では「優先接続」条項が削除されました。「優先給電」も棚上げ状態で、いまだに原発や火力などの既存発電が優先されています。接続を抑制するのであれば、発電事業者に何らかの補償をすべきなのですが、無期限・無補償という異常事態になっています。

改正FIT法は消費者にとって非常にあいまいになっています。問題は、ヨーロッパにあるような発電源証明書、トラッキングシステムが日本にないことです。そのため、消費者はどの電気を買えるのか追跡できないのです。電力自由化に際し、発電した電気が自然エネルギーによるものと表示できない理由はそこにあります。

また、バイオマス発電においては、輸入材の奪い合いによる海外の森林乱開発への懸念などの課題もあります。デンマークに見習って、熱利用も促進しうるコジェネを推進すべきだと思います。

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