安田教授が指摘! 化石燃料の”隠れ”コスト

再エネ導入において重要な点となるコスト。しかし、直接的なイニシャルコストやランニングコストの他に「外部コスト」を計算に加えている人は少ないのではないだろうか? 送電線の空き容量問題に鋭く迫り話題となった安田京大特任教授は、外部コストについて、より議論されるべきだと主張する。

外部コストを考えれば
再エネは圧倒的に安い

外部コストは、隠れたコストとも呼ばれ、市場取引の価格に反映されないコストです。

分かりやすい例で言えば、農薬たっぷりの野菜は育てる方がラクで安く売れるかもしれませんが、農薬による土壌汚染や健康被害が発生しないともかぎりません。その土壌汚染や健康被害によって生じるコストこそ、外部コストです。負の外部コストとは、「他人に迷惑をかける度合い」と言ってもよいでしょう。

この外部コストを織り込んで考えれば、農薬まみれの野菜は、実は高くつくものだということが分かります。電源のコストについても同じです。

日本では、再エネは高く、石炭火力は安いということになっていますが、そこに外部コストはほとんど含まれていません。国際的には、気候変動に関する政府間パネル (IPCC) の調査において、再生可能エネルギーは他の電源に比べて桁違いに外部コストが低いことが明らかになっています。言い換えれば、石炭火力は再エネの100倍以上の外部コストを発生させながら、安い電源と見做されているのです。

日本では、こういうことがほとんど議論されないまま、目先のコストだけが取り沙汰されています。しかし、各電源のコストを比較する際には、外部コストも組み入れて考えるべきなのです。

とはいえ、再エネも外部コストがゼロではありません。景観や騒音など、地域住民とのトラブルも報告されています。再エネだから良いと安易に構えていることは許されません。より一層、外部コストを下げていく努力を自ら行っていくことが、消費者の信頼を得るためにも必要なことでしょう。

12>
PICK UP
注目記事
太陽光関連メーカー一覧

RANKING

  1. 1
    再エネ出力制御率、2035年には北海道で37%に拡大、優先給電ルールの見直しで大幅減の見通し
    再エネ出力制御率、2035年には北海道で37%に拡大、優先給電ルールの見直しで大幅減の見通し
  2. 2
    【9/15開催】蓄電池ビジネス最前線セミナー|激変する市場変化に合わせた事業戦略の進め方
    【9/15開催】蓄電池ビジネス最前線セミナー|激変する市場変化に合わせた事業戦略の進め方
  3. 3
    低圧系統用蓄電池事業構想から開発、運用まで。再エネ事業初心者にも『伴走者』としてサポートするREPエージェント
    低圧系統用蓄電池事業構想から開発、運用まで。再エネ事業初心者にも『伴走者』としてサポートするREPエージェント
  4. 4
    屋根・壁があれば脱炭素が実現!ルミソルが提案する軽量パネルの魅力と取り入れ方
    屋根・壁があれば脱炭素が実現!ルミソルが提案する軽量パネルの魅力と取り入れ方
  5. 5
    需給調整市場の上限価格を引き下げ 懸念される再エネ拡大目標への影響
    需給調整市場の上限価格を引き下げ 懸念される再エネ拡大目標への影響

MAGAZINE

vol.58 / ¥0
2026年8月4日発行

PRESS