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SUNGROWが新製品2機種を発表! 本誌連載中の飯田氏が基調講演も!

パワーコンディショナの世界シェア15%を誇る、グローバルリーダーのSUNGROW(サングロウ)が、日本市場向けの新製品2機種を発表。発表会では、本誌連載でお馴染みの飯田哲也氏の基調講演も行われ、九電の出力抑制や、未稼働案件の問題など、旬の話題を独自の視点から考察した。

パワコンのグローバルリーダー
SUNGROWが新製品発表会を開催

11月22日、SUNGROW(サングロウ)新製品発表会「2019年太陽光ビジネス成長の鍵」が東京・新宿の京王プラザホテルで開催され、約70名の参加者が来場した。

まずオープニングとして、サングロウの日本法人であるサングロウ・ジャパンの松浦克憲氏が挨拶した。


サングロウ・ジャパン株式会社 専務 兼 マーケティングマネージャー 松浦克憲氏

続いてサングロウの会社紹介を、サングロウ・ジャパンの福田繁穫氏が行った。

サングロウは、1997年に中国で設立。主力製品はパワーコンディショナで、現在も一貫してその方針を貫いている。世界での累計実績は68GW超、2017年単年での出荷量は16.5GWで、世界市場シェアは15%というグローバルリーダーだ。なお、太陽光発電の先進国であるドイツでの市場シェアは、世界市場を上回る25%だという。

日本では、2014年に日本法人のサングロウ・ジャパンを設立し、2016年には自社ブランドで1GWの設備認定を達成。パワーコンディショナをはじめ、蓄電池や水上発電フローティング製品などを手がけている。

サングロウ・ジャパンの特徴の1つが、充実したアフターサービス。製品の不具合などが発生した場合、一般的なセンドバック方式(製品の郵送による遠隔でのやり取り)だけでなく、担当者が現場に直接出向くオンサイト方式にも対応している。

福田氏は「弊社の強みの1つが、このオンサイト方式。3営業日以内で、弊社専門スタッフを現地に派遣する。全国サポート体制を整えているので、安心して弊社製品をお使いいただきたい」とアピールした。


サングロウ・ジャパン株式会社 営業部 福田繁穫氏

出力抑制と未稼働案件問題
旬の話題を飯田氏が切る!

次に登壇したのは、認定NPO法人 環境エネルギー 政策研究所(ISEP)の飯田氏。ソーラージャーナル本誌の連載でもお馴染みの飯田氏は、基調講演として「太陽光発電に関わる経産省の政策動向と太陽光ビジネス成長の鍵」と題して語った。

まず取り上げたのが、11月22日の時点で既に6回も実施された九州電力による再生可能エネルギーの出力抑制だ。飯田氏はこれを「第2次九電ショック」と呼び、事の重要性を強調。ISEPとして、9月21日に「九電が再エネ出力抑制の前にすべき6つのこと」として、以下を提言していたという。

1、関門連系線を最大限活用
2、火力発電所(特に石炭火力)および原子力発電所の稼働抑制
3、需要側調整機能(デマンドレスポンス)およびVPPの積極導入
4、出力抑制した自然エネルギー事業者への補償
5、「接続可能量」の廃止と「優先給電」の確立
6、電力需給調整の情報公開の徹底

このうち1は、出力抑制が実施された10月21日の関門連系線の運用容量が196万kWだったが、他の日(2018年7月や9月)には270万kW以上送電していたデータを引用して「もっと送電する余地があったのではないか」と指摘した。

また2に関して、原発よりも再エネ発電を優先しているフランスやドイツの実例を紹介。「原発の発電量をゼロにしてしまうと、再起動にコストが掛かるのは事実。だが、50%や30%になら問題なく下げられるはず。日本の優先給電ルールでは、再エネの優先度が低くなっているが、他国のように再エネの優先度を上げるべきだ」と喝破した。

次に、激変する太陽光発電の政策環境として「未稼働プレミアム案件の価格切り下げ」に触れた。

経産省は、「過去の未稼働案件」のうち、FIT買取価格が40円・36円・32円の案件の買取価格を切り下げる方針を固めている。これについて、飯田氏は「そもそも制度設計に欠陥があった。日本が世界で唯一、認定時に価格を決める制度だったり、最初の3年の認定がザルだったことが、問題の原因だ」とバッサリ。今回の政府の方針転換によって懸念される課題として、融資凍結や倒産など事業への影響、行政訴訟を含む多数の訴訟誘発、海外からの投資リスク国としての評価下落、突貫工事などによる手抜きや乱開発を挙げた。

飯田氏は、解決の方向性として「まず連系時に価格が決まる制度に改めること。そして、元は行政のミスが原因なのだから、事業者と行政で何らかの痛み分けの落としどころを考えて、太陽光の市場縮小を避ける政策も同時に進行すべき。アメもなくムチばかりでは、太陽光の市場がせっかく育ってきたのに、大きな問題が生じてしまう」と警鐘を鳴らした。


認定NPO法人 環境エネルギー 政策研究所(ISEP)所長 飯田哲也氏

新製品2機種発表
メガ用とミドル用

最後に、この日のメインテーマであるサングロウの新製品を、サングロウ・ジャパンの李俊澎氏が発表した。

発表されたのは2製品。まず1つ目が、「メガソーラーソリューション SG3400HV-MV」だ。一体型のシステムで、一括通信、外部制御電源不要、といった特長がある。パワーコンディショナ・通信ユニット・トランスをパッケージ化することで、コスト削減に寄与する。

また、3つの独立変換ユニットを使用した内部設計により、仮に1つが故障したとしても、他の2つによって運転継続が可能だ。


メガソーラーソリューション SG3400HV-MV

もう1つの新製品は、「産業用ミドルソーラーシステム対応 SG125KJ」。最大変換効率99%、MPPT12回路、ストリング入力24回路といった機能を有しており、容量100kW~10MW程度の中規模案件に適している。

100kWサイトなら1台でまかなえるため、他社の50kWストリングと比べてPCSとケーブルの数を減らすことができ、システムのワット単価を削減可能だ。また、メンテナンスの手間も簡略化できる。500kWブロックも4台で対応できるため、省スペースで施工もしやすい。さらに両面パネル対応で、170%という高い過積載率を誇るという。


産業用ミドルソーラーシステム対応 SG125KJ

さらに李氏は、遠隔モニタリングプラットフォームの「iSolarCloud」を紹介。ロガーで集めたデータを用いて、I/Vカーブを各ストリングごとにスキャンし、理想の発電カーブと現実のそれとを比較。障害があった場合でも早期発見できる機能などを訴求した。


サングロウ・ジャパン株式会社 技術セールスマネージャー 李俊澎氏

発表会ののち、会場を別フロアに移して、ネットワーキングパーティ(懇親会)が開催された。会場には、サングロウのパワーコンディショナの実機が展示され、参加者の注目を集めていた。


パワーコンディショナの実機を展示

乾杯の音頭は、サングロウ・ジャパンの代表取締役である趙天工氏が取った。


サングロウ・ジャパン株式会社 代表取締役 趙天工氏

ネットワーキングパーティには、約60名が参加。サングロウの担当者に新製品のパワーコンディショナについての詳しい説明を求める参加者や、名刺交換をして参加者同士で情報交換する場面などが、数多く見られた。

DATA

SUNGROW

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