アジカンも出演! 「自然エネルギーでオルタナティブな未来へ」NO NUKES 2019レポート
2019/04/10
日本のこれからを考えた時、いま私たちが選択するべきエネルギーとは──。 「NO NUKES 2019」は、自然エネルギーに寄せられた期待を実感できるイベントだった。
メイン画像:ASIAN KUNG-FU GENERATION
日本の未来を変える!
自然エネルギーに高まる期待
3月23・24日の2日間、東京の豊洲PITで開催された「NO NUKES 2019」。福島第一原発事故翌年の第1回から6回を数える。2日合計で13組のアーティストが出演し、約5000人のオーディエンスが集まった。
坂本龍一+大友良英
Nulbarich
the HIATUS
NAMBA69
昨年、九州電力が初めて実施した広域出力制御では、太陽光発電が対象となったが、出力制御の優先順位に対して疑問視する声も聞かれた。
日本の電力供給を担う「主力電源」として、そして未来を変えるオルタナティブな電源として、太陽光を中心とした自然エネルギーにますます大きな期待がかけられている。
2日目のトークセッションでは、太陽光発電を使ったオフグリッドシステムの構築方法や個人で始めるエネルギー自給自足生活といった具体的な取り組みについて、オーディエンスが真剣に聞き入っていた。
会場外には、ユニークな取り組みで知られる「みんな電力」のブースもあり、音楽を楽しみながら、日本のエネルギーを考える貴重なイベントとなった。
2日目のトークセッションでは、アーティスト3名に加え、未来バンク・田中優さんが登壇。田中さんが示す太陽光発電を活用したオフグリッドシステムやエネルギー自給自足生活に、観客は真剣に耳を傾けた。「エネルギーのことを考えるきっかけになれば」と田中さんは語る。
日本はどんな未来へ?
ARTISTS’ MESSAGE
4名の参加アーティストに、「NO NUKES」、そして日本の未来について伺った。
ASIAN KUNG-FU GENERATION
後藤正文さん(vocal,guitar)
このイベントは1つのメッセージだと思います。後に続く世代にバトンを渡す以上、いま沈黙するわけにはいかないですね。ロックミュージシャンとしても。遠くない未来に、そこらじゅうを電気自動車が走ってて、お互いに電気を「シェア」するようになったら楽しいですよね。たとえば、オーディエンスが乗ってきたクルマにためた電気だけでコンサートをやって、また別のメッセージを届けるのも面白いかも、って考えています。
ACIDMAN
大木伸夫さん(vocal,guitar)
震災以降、毎年3月11日に福島でライブをやっているので、街が蘇ってきていることは実感しています。ただ、このイベントもそうだし、まだまだ続けていかないといけないな、とも感じています。日本も考え方をアップデートして、もっともっと自然エネルギーで電気を賄う方向に進んでいきたいですよね。もしパネルの変換効率が80%になったら、それだけで世の中が変わると思います。 太陽光発電の技術革新にも期待しています。
いとうせいこうさん
同じ考えを持つ人達がたくさんいるって実感できるのが、このイベントの良いところですよね。自然エネルギーのポテンシャルに否定的な意見は根強かったけれど、技術の進歩によってオルタナティブな電源になりうることも明らかになりました。海外に行くと、日本の情報環境は遅れてるなって不安になることもありますけど、僕たちは「楽しくてサステナブルな普通の生活」を示して、次のステージに進みたいですね。
大友良英さん
震災後、故郷でもある福島と向き合いながら様々な活動をしています。簡単なことばかりじゃないですけど、一つひとつの積み重ねが物事を前に進めるんだと思っています。1年2年の単位でみるとうまくいかないことも、10年、20年という目でみればきっと良い方向に向かうと信じてやってます。このイベントもそういうものの一つなのかもしれません。今回の坂本さんとのステージは、二人で遊んでるような感じで、本当に楽しかったです。また機会があれば喜んで出演したいです。
<NO NUKES 2019>
開催日:2019年3月23・24日
会場:豊洲PIT
<出演アーティスト>
ACIDMAN/ASIAN KUNG-FU GENERATION/いとうせいこう is the poet/Gotch/坂本龍一+ 大友良英/サンボマスター/ストレイテナー/Nulbarich/NAMBA69/the HIATUS/BRAHMAN/Yogee New Waves
撮影/松尾夏樹(NAOTO OHKAWA Photography,inc.)
SOLAR JOURNAL vol.29(2019年春号)より転載