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傾斜角度は65度!? 特殊機能を備えた追尾式架台!

世界有数の太陽光追尾式架台メーカーとして、世界中に製品を提供しているアークテックソーラー。バックアップ率99.99%を誇る追尾式架台の秘密とは? 同社日本法人社長に聞いた。

中国・江蘇省に本社を置くアークテックソーラーは、太陽光追尾式架台(トラッキングシステム)分野で世界有数のメーカーおよびソリューション・プロバイダーだ。創業は2009年で、それから8年間、中国に製造拠点を、アメリカ、インド、ヨーロッパなどに子会社とサービスセンターを設置した。また、日本法人としてアークテックソーラージャパンを東京都港区に置いている。

同社が追尾式架台の開発に着手したきっかけは、近年の太陽光システム価格の続落だ。同社社長のガイ・ロンさんは、「この値下がりの中で成長を続けるために、何かを変えなければいけない。そこで、シリコンパネルのための追尾式架台を作ろうと思ったんです。」と語る。

パネルのコストを抑えるのではなく、発電効率を最大化してエネルギー生成量を増やす。そんなコンセプトから、同社の太陽光追尾式架台が誕生したのだ。

大きな特長は「バックアップ設計」になっていること。メインシステムが故障した場合、15秒間のうちに自動的にバックアップシステムへと切り替わる。それにより、発電所の発電量に影響を及ぼすことなく、オーナーの収益が保証されるのだ。緊急メンテナンスの必要がないため、メンテナンスコストも削減できる。

ガイさんは「両方のシステムに不具合が出る確率は、計算上は0.01パーセント。実際はもっと低いでしょう。もし何か問題があれば、エンジニアがすぐにメンテナンスに行くだけです」と安定性に胸を張る。

また、傾斜角度も大きくした。これまでの標準規格の45度では、ひとたび雪が降ればモジュールの上に積もり、自然に落ちず発電できなくなる。そこで、雪が引力で自然に落ちるよう、最大傾斜角度を45度から65度にまで拡大した。

同社はこれまでに累積で10GWの設備を設置し、10ヶ国以上で600近くのプロジェクトを成功させてきた。製造能力は固定式架台と追尾式架台を合わせて年間9GWにも上る。まだまだ引き合いは続いており、しばらく同社の成長が歩みを止めることはなさそうだ。


アークテックソーラージャパン社社長のガイ・ロンさん


取材・文/大根田康介

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