自然エネルギー財団、経産省へのコメントを提出
2018/06/26
経済産業省がパブリックコメント(意見募集)をかけていた、「第5次エネルギー基本計画(案)」。これに対し、自然エネルギー財団がコメントを提出した。書面には、どういった内容が記載されていたのだろうか。
政府考案のエネルギー基本計画改正案
自然エネルギーの割合が低すぎる?
公益財団法人自然エネルギー財団は、2018年6月15日、政府がパブリックコメント(意見募集)をかけた「エネルギー基本計画改正案」について、コメント「日本でも脱炭素化への自然エネルギーの道の選択を」を公表した。
同財団は、「今回のエネルギー基本計画改正では、日本の”脱炭素化”への最も重要かつ確実な道として、自然エネルギーを明確に位置づけること」が重要だと提言。
しかし、国が公表した計画案では、自然エネルギーを「主力電源化へ」と述べながら、2030年に22~24%という世界標準の半分程度の低い目標を改めておらず、「石炭火力と原子力発電を長期にわたって使い続ける意思」を表明していると、異議を唱えた。
政府が「自然エネルギーは天候次第という間欠性の問題から、供給信頼度が低い」と述べた点についても、デンマークやアメリカのカリフォルニア州では発電量の4割以上を自然エネルギーでまかなっていることを例に挙げ、確実な脱炭素化電源として機能できることをアピールした。
石炭火力への固執によって
日本の未来が閉ざされる
また、ビジネスにおいては、世界の多くの金融機関が石炭火力への融資を中止し、保険業界は石炭関連事業への保険引き受け停止を始めている現状を受け、「石炭火力への固執は日本のエネルギービジネスの未来を閉ざす」と指摘。
四季折々の多彩な自然を享受する日本は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスという自然エネルギーを視野に入れれば、決して資源小国ではなく、持続可能なエネルギー資源に恵まれた豊かな国だ。自然エネルギーのポテンシャルを活用することが、エネルギー資源の輸入依存を脱し、エネルギー安全保障を確立する最善の道だと締めくくった。
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