政策・マーケット

パネルの積み増し要注意 「事後的過積載」がNGに!

改正FIT法に、新たな規制が加わった。昨今ブームになっていた「過積載」が、FIT認定取得後には難しくなったのだ。今後も認められないわけではないが、買取価格がパネル積み増し時点のFIT価格に引き下げられることとなる。PV事業者、発電所オーナーは要注意だ!

この新規制は、2017年8月31日に交付・施行されたFIT法施行規則改正による。これまでは基本的に、過積載をいつ行ってもFIT買取価格が変更されることはなかった。例えば昨年(2016年 24円/kWh)、運転開始4年後となる発電所で増設したとして、増設したパネルが発電した電力に対してもFIT認定取得時の買取価格(2012年 40円/ kWh)が適用された。でも、これからはそうはいかない。

これまでの事後的過積載

過積載とは、「パワーコンディショナの合計出力よりも高い合計出力の太陽光パネルを設置すること」をいう。これまでも太陽光発電所の「発電出力」を増加する場合には、変更認定を受け、その時点のFIT価格に変更されることになってはいた。

しかし、パネルの合計出力とパワコンの合計出力のどちらか低い方を発電出力として登録するルールのため、実質的には、いくらパネルを増やしても変更認定を受けることはほとんどなかった。そもそも、パネルよりもパワコンの合計出力の方が小さい設備(過積載)が一般的だったからだ。

つまり、後からパネルを増やしても、パワコンの合計出力を変えないかぎり、発電出力は変わっていないと見做されていた。したがって、FITの変更認定を受ける必要もなかった。

国民負担の抑制に向けて

今回の規則改正でも、計画段階からの過積載は問題とされていない。「問題あり」とされ、規制の対象となったのは、FIT認定取得後にパネルを積み増す、いわゆる「事後的過積載」だ。

FIT認定取得後の行為であれば、運転開始前であるか、運転開始後であるかは関係ない。では、事後的過積載の何が問題とされたのか? 一言でいえば、「国民負担」との関係だ。再生可能エネルギーの導入促進施策であるFIT(固定価格買取制度)は、主に再エネ賦課金という国民負担によって成り立っている。高い買取価格でコストが嵩めば、再エネ賦課金も膨れ上がり、それはそのまま国民負担の増大になってしまう。

FIT価格は、認定時の設備導入コストをベースに事業者の利潤等を勘案して決められているものだ。設備機器等の導入コストが下がっても、数年前(FIT認定時)の高い買取価格が適用される従来の事後的過積載は、過剰な国民負担を生じさせていたといわざるを得ない。また、その時点の買取価格で事業を行う新規参入者に対してもフェアではなかった。安いFIT価格を適用すれば、同額の再エネ賦課金であっても、より多くの再生可能エネルギーを導入することができる。

改正FIT法の目的である「再生可能エネルギーの最大限導入と国民負担の抑制の両立」の観点からも、事後的過積載のあり方を見直したのは妥当な措置といえるだろう。

なお、これは10kW以上の太陽光の話であり、10kW 未満の住宅用太陽光は今回の規制対象には含まれない。


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.23(2017年秋号)より転載

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