編集部からのお知らせ

新設ラッシュのバイオマス 地産地消に適した電源は?

改正FIT法で、分散型電源は今後どうなっていくのか。東京大学客員教授の松本氏に聞く。

アンバランスさ修正に意義
3年後はまず風力が拡大か

たしかに、太陽光発電以外の4電源(地熱・風力・小水力・バイオマス)の事業者は、事業がしやすくなったと思います。

今回の法改正で、4電源のように、事業の検討開始から運転開始までのリードタイムが長い電源については、数年先の認定案件の買取価格をあらかじめ決めることができる仕組みになりました。また、環境アセスメントの迅速化も盛り込まれています。これまでの太陽光発電にかたよった自然エネルギーのアンバランスさを多少なりとも修正していくという点で、今回の法改正は意義があると考えています。

ただし、法改正したからといって、すぐにアンバランスさが解消されるとは思えません。太陽光発電が自然エネルギー市場を牽引する状況は、まだ2〜3年は続くでしょう。

3年経てば、4電源の普及率向上の動きが見えてくると考えています。なかでも、風力の導入が拡大すると思われます。複数年にわたって買取価格が決められますので、企業にとっては事業のリスクや採算性などの見通しが立てやすくなりました。環境アセスの短縮化も期待できるほか、設置できそうな場所もまだまだ多いとみられます。

地熱は、導入ポテンシャルが約2000万kWと、世界の中でも日本は第2位です。ただ、地元の理解をいかに得るかなど、社会的な面での課題もあるほか、地熱開発で地面に穴を掘るボーリング調査の精度もさらに向上させる必要があるでしょう。ちなみに、地熱プラントの関連機器市場では、日本メーカーがシェア7割を持っています。実は日本の地熱関連メーカーは、世界的に強さを発揮しているのです。

12>

関連記事

2016/01/15 | 編集部からのお知らせ

新設計画が相次ぐ 木質バイオマス発電所

2018/04/18 | 編集部からのお知らせ

FIT大幅見直しで、バイオマス発電はどうなる?

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 長期安定適格太陽光事業者制度始まる。複数の遠隔監視システムを使う発電所の「バルク管理」の課題をどう解決するか...
  2. 『SOLAR JOURNAL』最新夏号8/1発行!《再エネ 主力電源へ》
  3. 2023年、さらに加速する欧州の太陽光ブーム
  4. 積水化学工業がペロブスカイトを量産化! 2030年にはGW級の製造ライン構築を目指す...
  5. ハンファジャパン、「N型バックコンタクト」で新境地を拓く! 日本の屋根に寄り添った「全方位進化」とは?...
  6. 世界の平均気温が史上最高を記録、目の前に迫る温暖化の危機
  7. 北海道釧路市「ノーモア メガソーラー宣言」 10kW以上の事業用太陽光発電を許可制へ...
  8. 【受付中】9/3(水)開催!注目の系統用蓄電池に特化した、投資家・金融向け「グリーン投資戦略セミナー」...
  9. 【参加受付中!】2025年9月12日(金)「第35回PVビジネスセミナー」
  10. 【飯田哲也さんコラム】第7次エネルギー基本計画原案から透けてみえる経済産業省の真意とは。...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.54 | ¥0
2025/8/1発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ